1 @c -*- coding: utf-8; mode: texinfo; documentlanguage: ja -*-
4 Translation of GIT committish: 5fb3f8cf17ce7b57d22584429d736f188e4827d7
6 When revising a translation, copy the HEAD committish of the
7 version that you are working on. For details, see the Contributors'
8 Guide, node Updating translation committishes..
13 @c Translators: Tomohiro Tatejima, Masamichi Hosoda, Yoshiki Sawada
14 @c Translation status: post-GDP
17 @chapter @command{lilypond} を実行する
18 @translationof Running lilypond
20 この章では LilyPond を実行するための細かな規定について詳述します。
32 @translationof Normal usage
34 たいていのユーザは GUI から LilyPond を実行します。@c
35 まだ実行したことがないのであれば @rlearning{チュートリアル} を読んでください。
36 lilypond ファイルを書くのに代替のエディタを使用するのであれば、@c
37 そのエディタのドキュメントを読んでください。
41 @section コマンド ラインの使用方法
42 @translationof Command-line usage
44 この節にはコマンド ラインで LilyPond を使用するための追加情報が含まれます。@c
45 これにはプログラムに追加オプションを渡す必要があるかもしれません。@c
46 さらに、いくつかの特別なプログラム (@code{midi2ly} など) は@c
49 ここで @q{コマンド ライン} とは、OS の中にあるコマンド ラインを意味します。@c
50 Windows ユーザは @q{DOS シェル} や @q{コマンド シェル} @q{コマンド プロンプト}
51 という言葉の方が馴染みがあるかもしれません。@c
52 MaxOS@tie{}X ユーザは @q{ターミナル} や @q{コンソール} という言葉の方が@c
54 MaxOS@tie{}X ユーザは追加のセットアップが必要かもしれません。@c
55 @rweb{MacOS X} を参照してください。
57 OS のコマンド ラインの使用方法についての説明は@c
58 このマニュアルが扱う範囲ではありません。@c
60 その内容を扱っている他のドキュメントをあたってください。
64 * LilyPond の基本的なコマンド ライン オプション::
65 * LilyPond の高度なコマンド ライン オプション::
67 * chroot jail 環境で LilyPond を実行する::
71 @unnumberedsubsec @command{lilypond} を呼び出す
72 @translationof Invoking lilypond
75 @command{lilypond} 実行可能形式ファイルは@c
76 コマンド ラインから以下のように呼び出されます。
79 lilypond [@var{option}]@dots{} @var{file}@dots{}
82 拡張子を持たないファイル名で呼び出された場合、@c
83 @file{.ly} が最初に試されます。@c
84 stdin から入力を読み込む場合には、@c
85 @var{file} に対してダッシュ (@code{-}) を使用します。
87 @file{filename.ly} が処理されると、@c
88 lilypond は出力として @file{filename.ps} と @file{filename.pdf} を作り出します。@c
89 いくつかのファイルを指定することもできます。@c
90 その場合、それらのファイルは個々に処理されます。@c
91 @footnote{GUILE のステータスは @code{.ly} 処理後にリセットされません。@c
92 そのため、Scheme 内部からいかなるシステム デフォルトも変更しないよう@c
95 @file{filename.ly} が複数の @code{\book} ブロックを含んでいる場合、@c
97 @file{filename-1.pdf} から始まる番号付きのファイルに出力されます。@c
98 さらに、@code{output-suffix} がベース名と番号の間に挿入されます。@c
102 #(define output-suffix "violin")
104 #(define output-suffix "cello")
109 @var{base}@file{-violin.pdf} と @var{base}@file{-cello-1.pdf} を出力します。
112 @unnumberedsubsubsec 標準シェルで LilyPond を使う
114 LilyPond はコマンドラインアプリケーションなので、@c
115 LilyPond を呼び出すために @q{シェル} の機能をうまく利用することができます。
124 は、カレントディレクトリのすべての LilyPond ファイルを処理できるでしょう。
126 コンソール出力をリダイレクトする(例えばファイルへ)のも@c
130 lilypond file.ly 1> stdout.txt
132 lilypond file.ly 2> stderr.txt
134 lilypond file.ly &> all.txt
138 それぞれ @q{普通の} 出力、@q{エラー} のみ、@q{すべて} 、
141 あなたの使用しているシェル、コマンドプロンプト (Windows)、@c
142 ターミナルやコンソール (MacOS X) がリダイレクトをサポートしているか、@c
143 あるいは構文が異なるかどうかは、そのシェルのドキュメントを調べてください。@c
145 以下は、カレントディレクトリ以下のすべての入力ファイルを再帰的に探し、@c
147 出力ファイルは元の入力ファイルのあるディレクトリではなく、@c
148 コマンドを実行したディレクトリに置かれます。
151 find . -name '*.ly' -exec lilypond '@{@}' \;
155 これは MacOS@tie{}X ユーザでも使えるでしょう。
160 forfiles /s /M *.ly /c "cmd /c lilypond @@file"
165 @code{スタート > アクセサリ > コマンドプロンプト}
166 とたどるか、Windows 8 であれば@c
167 検索ウィンドウで @q{コマンドプロンプト} と入力して、
168 @code{コマンド プロンプト} を起動し、@c
171 または、入力ファイルを含むすべてのサブフォルダを含む、@c
172 最上位のフォルダを明示的に指定できる @code{/p} オプションもあります;
175 forfiles /s /p C:\Documents\MyScores /M *.ly /c "cmd /c lilypond @@file"
178 最上位フォルダ名がスペース文字を含む場合は、@c
179 パス全体をダブルクオーテーションで囲む必要があります。;
182 forfiles /s /p "C:\Documents\My Scores" /M *.ly /c "cmd /c lilypond @@file"
186 @node LilyPond の基本的なコマンド ライン オプション
187 @unnumberedsubsec LilyPond の基本的なコマンド ライン オプション
188 @translationof Basic command line options for LilyPond
190 @cindex Invoking @command{lilypond} (@command{lilypond} を呼び出す)
191 @cindex command line options for @command{lilypond} (@command{lilypond} のためのコマンド ライン オプション)
192 @cindex options, command line (コマンド ライン オプション)
193 @cindex switches (切り換え)
202 通常より大きい PDF ファイルを生成します。@c
203 (フォント最適化がほんの少しかまったく無くなるため。)@c
205 @w{@code{pdftex}}、@w{@code{xetex}} や @w{@code{luatex}}
207 さらに ghostscript 処理で重複するフォントデータを統合し、@c
208 @emph{著しく} 小さい PDF ファイルを得ることができます。
214 それから @code{ghostscript} を呼び出します。
217 gs -q -sDEVICE=pdfwrite -o gsout.pdf myfile.pdf
220 @code{pdfsizeopt.py} は、さらにサイズの最適化ができます。
223 pdfsizeopt.py --use-multivalent=no gsout.pdf final.pdf
227 @item -d, --define-default=@var{var}=@var{val}
228 @ref{LilyPond の高度なコマンド ライン オプション} を参照してください。
230 @cindex Scheme, expression evaluation (Scheme 表記の評価)
231 @cindex expression evaluation, Scheme (Scheme 表記の評価)
233 @item -e, --evaluate=@var{expr}
234 @file{.ly} ファイルを解析する前に Scheme @var{expr} を評価します。@c
235 複数の @code{-e} オプションが与えられた場合、それらは順番に評価されます。
237 Scheme 表記は @code{guile-user} モジュールの中で評価されます。@c
238 そのため、@var{expr} の中で定義を使いたいのならば、@c
242 lilypond -e '(define-public a 42)'
246 @code{.ly} ファイルの先頭に以下を含めます:
249 #(use-modules (guile-user))
252 @warning{Windows ユーザはシングル クォートではなく、@c
255 @cindex output, format (出力のフォーマット)
256 @cindex format, output (出力のフォーマット)
258 @item -f, --format=@var{format}
260 @code{format} の選択肢は @code{ps}, @code{pdf}, それに @code{png} です。
262 例: @code{lilypond -fpng @var{filename}.ly}
265 @code{svg} フォーマットや @code{eps} フォーマットを出力するには
266 @code{-dbackend} オプションを用います。
267 @ref{LilyPond の高度なコマンド ライン オプション} を参照してください。
272 @item -H, --header=@var{FIELD}
273 ヘッダ フィールドをファイル @file{BASENAME.@var{FIELD}} に吐き出します。
275 @item -i, --init=@var{file}
276 init ファイルとして @var{file} をセットします (デフォルト: @file{init.ly})。
278 @cindex file searching (ファイル サーチ)
279 @cindex search path (サーチ パス)
281 @item -I, --include=@var{directory}
282 @var{directory} を入力ファイルのサーチ パスに追加します。
284 複数の -I オプションを与えることができます。@c
285 検索は最初に指定されたディレクトリから開始され、@c
286 入力ファイルが見つからない場合は次に指定されたディレクトリを検索します。
288 @cindex chroot jail, running inside (chroot jail 内部で実行する)
290 @item -j, --jail=@var{user},@var{group},@var{jail},@var{dir}
291 @command{lilypond} を chroot jail 環境で実行します。@c
292 (訳者: chroot jail 環境とはセキュリティのために@c
293 カレント プロセスに対してルート ディレクトリの位置を変更すること。)
295 @option{--jail} オプションは、@c
296 Web サーバ経由で LilyPond 譜刻を提供する時や
297 LilyPond が外部ソースから送られてきたコマンドを実行する時に、@c
298 @code{--dsafe} よりも自由度の高い代替手段を提供します。
299 (@ref{LilyPond の高度なコマンド ライン オプション} を参照してください。)
301 @code{--jail} オプションはコンパイル プロセスの開始直前に
302 @command{lilypond} のルート ディレクトリを @var{jail} に変更します。@c
303 それから、ユーザとグループを @var{user} と @var{group} に変更して、@c
304 カレント ディレクトリを @var{dir} に変更します。@c
305 これにより、jail (牢獄) から抜け出せないことを (少なくとも理論上は)
307 @code{--jail} を指定した @command{lilypond} の実行は root (ユーザ名)
309 通常、これは @command{sudo} を用いた安全な方法で行います。
311 jail のセットアップは比較的複雑な問題です。@c
312 LilyPond がソースをコンパイルするのに必要とされるものすべてを
313 @emph{jail の内部} で見つけられるということを保証しなければならないからです。@c
314 一般的なセットアップには以下の項目が含まれます:
317 @item 専用のファイルシステムをセットアップする
318 @code{noexec}, @code{nodev}, @code{nosuid} などのセーフ オプションで@c
319 マウントするための専用ファイルシステムを作成すべきです。@c
320 こうすることで、LilyPond から実行可能形式ファイルを実行したり、@c
321 デバイスに直接書き込むことは不可能になります。@c
322 専用のパーティションを作成することを望まないのなら、@c
324 それを使用してループ デバイス (ループバック デバイス) をマウントしてください。@c
326 LilyPond が許可されたディスク容量以上には書き込めないということを保証します。
328 @item 専用のユーザをセットアップする
329 jail 内部で LilyPond を実行する際、@c
331 (仮に @code{lily}/@code{lily} とします)
333 このユーザが書き込み可能なディレクトリが 1 つだけ存在すべきであり、@c
337 LilyPond は実行中にいくつかのファイルを読み込む必要があります。@c
338 それらのファイルをすべて jail にコピーしておきます。@c
339 それらのファイルが本当のルート ファイル システムで存在しているパスと@c
341 LilyPond インストールの内容すべて (例えば、@file{/usr/share/lilypond}) を@c
344 問題が発生した場合、その原因を突き止める最も簡単な方法は
345 @command{strace} を使って LilyPond を実行することです。@c
346 これによりどのファイルが見当たらないのかがわかります。
349 @code{noexec} でマウントされた jail の中では、@c
350 外部プログラムを実行することは一切できません。@c
351 そのため、外部プログラムを必要としないバックエンドで
352 LilyPond を実行しなければなりません。@c
354 jail モードでの LilyPond の実行はスーパーユーザ権限で行われなければならず
355 (もちろん、その権限はすぐに外されます)、@c
356 たぶん @command{sudo} を使います。@c
357 LilyPond が使用可能な CPU 時間を数秒に制限する
358 (例えば、@command{ulimit -t} を使って) というのも良い方法です。@c
359 さらに、OS がサポートしているのなら、@c
360 割り当て可能なメモリ容量を制限するというのも良い方法です。@c
361 @ref{LilyPond in chroot jail} も参照してください。
364 @cindex loglevel (ログレベル)
365 @cindex output, verbosity (出力の饒舌さ)
367 @item -l, --loglevel=@var{LEVEL}
368 コンソール出力の饒舌さを @var{LEVEL} にセットします。@c
374 何も出力しません。エラー メッセージさえも出力しません。
377 エラー メッセージだけを出力します。警告や進捗メッセージは出力しません。
380 警告とエラー メッセージを出力し、進捗メッセージは出力しません。
383 基本的な進捗メッセージ (成功メッセージ)、警告、それにエラー メッセージを@c
387 すべての進捗メッセージ、警告とエラー メッセージを出力します。
390 進捗メッセージ、警告、エラーそれに追加の実行情報を出力します。
393 饒舌なデバッグ出力を含む、出力可能なメッセージをすべて出力します。
397 @cindex directory, redirect output (出力をディレクトリにリダイレクトする)
398 @cindex output, setting filename (出力のファイル名を設定する)
399 @cindex output, directory (出力ディレクトリ)
401 @item -o, --output=@var{FILE} or @var{FOLDER}
402 デフォルトの出力ファイルとして @var{FILE} をセットします。@c
403 セットした名前のフォルダが存在する場合、そのフォルダに、@c
404 入力ファイルから取ったファイル名で出力されます。@c
406 (つまり、pdf ならば拡張子 @code{.pdf} が追加されます)。
408 @cindex PS (Postscript), output (PS (PostScript) 出力)
409 @cindex Postscript (PS), output (PostScript (PS) 出力)
410 @cindex output, PS (Postscript) (PS (PostScript) 出力)
415 @cindex PNG (Portable Network Graphics), output (PNG 出力)
416 @cindex output, PNG (Portable Network Graphics) (PNG 出力)
419 各ページの図を PNG フォーマットで生成します。@c
420 これは内部で @code{--ps} を使用します。@c
421 画像の DPI 解像度は以下のようにセットします:
426 @cindex PDF (Portable Document Format), output (PDF 出力)
427 @cindex output, PDF (Portable Document Format) (PDF 出力)
431 これは内部で @code{--ps} を使用します。
438 読み込むすべてのファイルのフル パスを表示して、時間情報を表示します。
441 GNU LilyPond の保証責任を表示します。@c
442 (GNU LilyPond には@strong{保証責任はありません}!)
447 @node LilyPond の高度なコマンド ライン オプション
448 @unnumberedsubsec LilyPond の高度なコマンド ライン オプション
449 @translationof Advanced command line options for LilyPond
453 @item -d@var{[option-name]}=@var{[value]},
454 --define-default=@var{[option-name]}=@var{[value]}
455 これは内部 Scheme 関数に @var{value} をセットします。@c
462 @var{value} が指定されない場合、デフォルト値が使われます。@c
463 例えば、@var{option-name} に接頭辞 @code{no-} を付けると、そのオプションは
466 @cindex point and click, command line (コマンド ラインでポイント&クリックを指定する)
480 @noindent 以下にサポートされるオプションをデフォルト値とともに示します:
482 @multitable @columnfractions .33 .16 .51
485 @tab @strong{説明/オプション}
487 @item @code{anti-alias-factor}
489 @tab (与えられた因数を用いて) 高解像度で描画して、その結果をスケール
490 ダウンすることにより、@code{PNG} 画像の輪郭がギザギザになることを防ぎます。
492 @item @code{aux-files}
494 @tab @code{eps} バックエンドを使うときに @code{.tex}, @code{.texi},
495 @code{.count} ファイルを作成します。
499 @tab デフォルト設定です。Postscript ファイル (デフォルト) は@c
500 @code{TTF}, @code{Type1}, それに @code{OTF} フォントを埋め込みます。@c
501 フォントのサブセットは作成されません。@c
502 @q{東洋} の文字セットを用いるとファイルが非常に大きくなる可能性が@c
507 @tab @command{lilypond-book} コマンドのデフォルトです。@c
508 これは、1 つのファイルにすべてのページとフォントを埋め込んだものと、@c
509 ページ毎に分離しフォントを埋め込まない eps ファイルの、両方を吐き出します。
513 @tab 楽譜を出力しません。@code{-dno-print-pages} と同じ効果を持ちます。
517 @tab 内部的な Scheme ベースの描画コマンドを吐き出します。
521 @tab ページ毎の SVG ファイルが全ページ分作られます。@c
522 音楽グリフはベクタ画像に変換されますが、文字フォントは SVG ファイルには@c
524 そのため、テキストや歌詞の最適な描画を得るためには、@c
525 SVG ビュアーに関連するテキストフォントが必要となります。@c
526 SVG ビュアーが対応していないことがあるので、@c
527 @q{フォントリスト} や @q{フォントエイリアス} を使用しないことをお勧めします。@c
528 @emph{Web Open Font Format} (WOFF) ファイルを使うときには、@c
529 追加の @code{svg-woff} スイッチが必要となります。
533 @strong{SVG バッグエンド出力の注意:}
534 デフォルトでは、SVG 出力には一般的な @code{font-family} の値
535 @code{serif}, @code{sans-serif}, @code{monospace} が用いられます。@c
536 そのため、@code{svg} バックエンドを使う場合は、@c
537 ソースファイルで明示的に特定のデフォルトフォントを設定する必要があります;
543 (make-pango-font-tree "TeX Gyre Schola"
546 (/ staff-height pt 20)))
551 @ruser{ドキュメント全体のフォント} も参照してください。
553 @multitable @columnfractions .33 .16 .51
554 @item @code{check-internal-types}
556 @tab 全てのプロパティ代入について型チェックを行います。
558 @item @code{clip-systems}
560 @tab 楽譜から断片を取り出します。これを使用するには、
561 @code{\layout} ブロックに @code{clip-regions} 関数が定義されている必要が@c
562 あります。@ruser{音楽の断片を抽出する}を参照してください。
563 @option{-dno-print-pages} と一緒に用いられた場合、断片は全く出力されません。
567 @tab データファイル パスの接頭辞です (読み取り専用)。
569 @item @code{debug-gc}
571 @tab メモリに関するデバッグ用の統計を吐き出します。
573 @item @code{debug-gc-assert-parsed-dead}
575 @tab メモリに関するデバッグ用: パースされたオブジェクトへの全ての参照が@c
576 無くなっていることを保証します。これは内部オプションであり、@c
577 @code{`-ddebug-gc'} によって自動的にオンになります。
579 @item @code{debug-lexer}
581 @tab Flex 文法解析ソフトウェアをデバッグします。
583 @item @code{debug-page-breaking-scoring}
585 @tab 多くの改ページ設定に関するスコアを吐き出します。
587 @item @code{debug-parser}
589 @tab Bison パーサをデバッグします。
591 @item @code{debug-property-callbacks}
593 @tab コールバック循環をデバッグします。
595 @item @code{debug-skylines}
597 @tab スカイライン (訳注: 行ごとのオブジェクトの最高位置と最低位置を線で@c
600 @item @code{delete-intermediate-files}
602 @tab コンパイルの途中で作成される使用しない中間ファイル @code{.ps} を@c
605 @item @code{dump-cpu-profile}
607 @tab CPU 時間情報を吐き出します (システムに依存します)。
609 @item @code{dump-profile}
611 @tab 各ファイルのメモリと CPU 時間情報を吐き出します。
613 @item @code{dump-signatures}
615 @tab システムごとに出力情報を吐き出します。回帰テストに用いられます。
617 @item @code{embed-source-code}
619 @tab 出力される PDF ドキュメントに LilyPond ソースファイルを埋め込みます。
621 @item @code{eps-box-padding}
623 @tab 出力される EPS の左端に与えられた数の余白を追加します
626 @item @code{font-export-dir}
628 @tab PostScript ファイルとしてフォントをエクスポートするディレクトリを@c
631 @item @code{gs-load-fonts}
633 @tab Ghostscript 経由でフォントを読み込みます。
635 @item @code{gs-load-lily-fonts}
637 @tab LilyPond のフォントだけを Ghostscript 経由で読み込みます。
639 @item @code{gs-never-embed-fonts}
641 @tab Ghostscript が TrueType フォントのみを埋め込むようになり、@c
642 他のフォーマットのフォントは埋め込まれません。
646 @tab 出力を表示せずに処理を行い、すべての出力をログ ファイルに@c
651 @strong{Windows ユーザへの注意:} @code{lilypond.exe} がデフォルトで@c
652 すべての進捗情報をコマンド ウィンドウに出力するのに対して、@c
653 @code{lilypond-windows.exe} は進捗情報を出力しません。@c
654 @option{-dgui} オプションを用いることで、出力をログ ファイルに@c
657 @multitable @columnfractions .33 .16 .51
662 @item @code{include-book-title-preview}
664 @tab プレビュー画像にブック タイトルを含めます。
666 @item @code{include-eps-fonts}
668 @tab システム毎の EPS ファイルにフォントを含めます。
670 @item @code{include-settings}
672 @tab グローバル設定のファイルをインクルードします。このファイルは楽譜の@c
675 @item @code{job-count}
677 @tab 与えられた数のジョブで、並行して処理します。
679 @item @code{log-file}
680 @tab @code{#f [file]}
681 @tab 2 番目の引数として文字列 @code{FOO} が与えられた場合、出力を@c
682 ログ ファイル @code{FOO} にリダイレクトします。
684 @item @code{max-markup-depth}
686 @tab マークアップ ツリーの階層の最大値です。それよりも深い階層を持つ@c
687 マーックアップがある場合、そのマークアップは終了していないと見なされて、@c
688 警告が表示され、null マークアップが返されます。
690 @item @code{midi-extension}
692 @tab MIDI 出力ファイルのデフォルトのファイル拡張子を与えられた文字列に@c
695 @item @code{music-strings-to-paths}
697 @tab 記譜フォントを用いるテキストをパスに変換します。
699 @item @code{paper-size}
701 @tab デフォルトの紙面サイズを設定します。文字列をエスケープ記号付の 2 重@c
702 引用符 @code{\"} で囲む必要があることに注意してください。
704 @item @code{pixmap-format}
706 @tab 画像出力のための GhostScript の出力フォーマットを設定します。
708 @item @code{point-and-click}
710 @tab PDF と SVG 出力に @q{ポイント&クリック} リンクを付け加えます。@c
711 @ref{Point and click} を参照してください。
715 @tab 通常の出力に加えてプレビュー画像を作成します。
720 -- @code{pdf}, @code{png}, @code{ps}, @code{eps}, それに @code{svg} --
721 でサポートされますが、@code{scm} ではサポートされません。@c
722 このオプションはタイトルと楽譜の最初の段を保持するファイル
723 -- @code{myFile.preview.extension} という形式のファイル名を持ちます --
725 @code{\book} ブロックや @code{\bookpart} ブロックが使われている場合、@c
726 @code{\book}, @code{\bookpart}, それに @code{\score} のタイトルが出力@c
727 に譜刻され、@code{\paper} 変数 @code{print-all-headers} が @code{#t} に@c
728 セットされている場合は各 @code{\score} ブロックの最初の段も譜刻されます。
730 通常の出力を抑制するには、必要に応じて @option{-dprint-pages} オプション@c
731 または @option{-dno-print-pages} オプションを使ってください。
733 @multitable @columnfractions .33 .16 .51
734 @item @code{print-pages}
736 @tab すべてのページを生成します。これがデフォルトです。@option{-dpreview}
737 を使う場合は @option{-dno-print-pages} を組み合わせると有用です。
739 @item @code{profile-property-accesses}
741 @tab @code{get_property()} 関数呼び出しの統計を取ります。
743 @item @code{protected-scheme-parsing}
745 @tab パーサでインライン Scheme のエラーが発生しても処理を続けます。@c
746 @code{#f} に設定されている場合、エラー終了して、スタック トレースを表示@c
749 @item @code{read-file-list}
750 @tab @code{#f [file]}
751 @tab 処理する入力ファイルのリストを保持するファイルを指定します。
753 @item @code{relative-includes}
755 @tab @code{\include} コマンドを処理するとき、インクルードするファイルを@c
756 (ルート ファイルからではなく) カレント ファイルからの相対位置で検索します。
758 @item @code{resolution}
760 @tab 生成する @code{PNG} 画像の解像度を与えられた値に設定します。@c
765 @tab @code{.ly} 入力ファイルを信用しません。
769 Web サーバ経由で LilyPond 譜刻が利用可能な場合、@option{--safe}
770 オプションか @option{--jail} オプションのどちらかを
772 @option{--safe} オプションはインライン Scheme コードが無茶をする
773 -- 例えば、以下のような -- ことを防ぎます。
777 #(s ystem "rm -rf /") % 正しく書くのはあまりにも危険
779 c4^$(ly:gulp-file "/etc/passwd") % 破壊的ではないが悪意がある
784 @option{-dsafe} オプションはインライン Scheme 表記を特別なセーフ
786 これは GUILE @file{safe-r5rs} モジュールに由来しますが、@c
787 @file{scm/safe-lily.scm} でリスト アップされている LilyPond API 関数の@c
790 さらに、セーフ モードでは @code{\include} は許可されず、@TeX{} 文字列の@c
791 中でバックスラッシュを使うこともできません。@c
792 また、セーフ モードでは LilyPond 変数を Scheme にインポートすることも@c
795 @option{-dsafe} はリソースの過使用を検出 @emph{しません} ので、@c
796 このオプションを指定してもプログラムをハングさせられる可能性があります
797 -- 例えば、サイクリック (巡回) データ構造をバックエンドに埋め込むことに@c
799 そのため、LilyPond を一般公開する Web サーバで使用する場合、プロセスの@c
802 セーフ モードは多くの有用な LilyPond 楽譜断片がコンパイルされることを@c
805 @option{--jail} はさらに安全な代替手段ですが、セットアップにかかる手間も@c
806 増えます。@ref{Basic command line options for LilyPond} を参照してください。
808 @multitable @columnfractions .33 .16 .51
809 @item @code{separate-log-files}
811 @tab 入力ファイル @code{FILE1.ly}, @code{FILE2.ly}, 等に対するログ
812 データをファイル @code{FILE1.log}, @code{FILE2.log}@dots{} に出力します。
814 @item @code{show-available-fonts}
816 @tab 使用可能なフォント名をリスト アップします。
818 @item @code{strict-infinity-checking}
820 @tab 浮動小数点の例外 @code{Inf} と @code{NaN} に遭遇した時、@c
823 @item @code{strip-output-dir}
825 @tab 出力ファイル名を構築する時に入力ファイルのディレクトリを使用@c
828 @item @code{strokeadjust}
830 @tab PostScript に線幅補正 (stroke adjustment) を強制します。このオプションは@c
831 普通、PDF ファイルが PostScript 出力から生成されている場合に意味があります
832 (線幅補正は、低解像度のビットマップ デバイスに対して自動的に有効になります)。@c
833 このオプションを指定しない場合、PDF ビューアは典型的な解像度の@c
834 スクリーンにおいて、一貫性の無い符幹の幅を出力しようとします。@c
835 このオプションは印刷結果の品質には目立って影響せず、PDF のファイル サイズを@c
838 @item @code{svg-woff}
840 @tab このオプションは @code{svg} バックエンドで Web Open Format (WOFF)
842 ページ毎の SVG ファイルが全ページ分作られます。@c
843 LilyPond 自身の音楽グリフを除き、フォントは埋め込まれません。@c
844 そのため、テキストや歌詞の最適な描画を得るためには、@c
845 SVG ビュアーにフォントが必要となります。@c
846 SVG ビュアーが対応していないことがあるので、@c
847 @q{フォントエイリアス} や @q{フォントリスト} を使用しないことをお勧めします。@c
849 @item @code{trace-memory-frequency}
851 @tab Scheme セルの 1 秒毎の使用数を記録します。結果を @code{FILE.stacks}
852 と @code{FILE.graph} に吐き出します。
854 @item @code{trace-scheme-coverage}
856 @tab Scheme ファイルの適用範囲を @code{FILE.cov} に記録します。
860 @tab 饒舌な出力。つまり、loglevel を DEBUG に設定します。
862 @item @code{warning-as-error}
864 @tab すべての警告と @q{プログラミング エラー} をエラーに変更します。
869 @unnumberedsubsec 環境変数
870 @translationof Environment variables
873 @cindex LILYPOND_DATADIR
875 @command{lilypond} は以下の環境変数を認識します:
877 @item LILYPOND_DATADIR
879 ロケール メッセージとデータ ファイルがあるディレクトリを指定します。@c
880 このディレクトリは @file{ly/}, @file{ps/}, @file{tex/} などの@c
886 @item LILYPOND_LOGLEVEL
888 明示的にログレベルが指定されずに LilyPond が呼び出された場合
889 (すなわち @option{--loglevel} コマンド ライン オプションが@c
893 @item LILYPOND_GC_YIELD
894 メモリ管理を調節する変数 (単位はパーセント) です。@c
895 大きな値は LilyPond に多くのメモリ使用を許し、@c
896 小さな値だと CPU 使用時間が長くなります。@c
897 デフォルト値は @code{70} です。
898 この変数を使ってメモリ使用量とパフォーマンスを調節することができます。@c
899 これはメモリ管理の振る舞いを調整するパーセント値です。@c
900 高い値にするとプログラムはより多くのメモリを使用し、@c
901 低い値にするとより多くの CPU 時間を使用します。@c
902 デフォルト値は @code{70} です。
906 @node chroot jail 環境で LilyPond を実行する
907 @unnumberedsubsec chroot jail 環境で LilyPond を実行する
908 @translationof LilyPond in chroot jail
910 LilyPond を chroot jail 環境で実行させるようサーバをセットアップすることは@c
912 以下にステップをリスト アップします。@c
913 各ステップの中にある例は Ubuntu GNU/Linux 用であり、@c
914 @code{sudo} の使用が必要となるかもしれません。
918 @item 必要なパッケージをインストールします:
919 LilyPond, GhostScript, それに ImageMagick。
921 @item @code{lily} という名前のユーザを作成します:
928 このコマンドはユーザ @code{lily} のためにホーム フォルダ (@code{/home/lily})
931 @item ユーザ @code{lily} のホーム フォルダで、@c
932 独立したファイルシステムとして使用するファイルを作成します:
935 dd if=/dev/zero of=/home/lily/loopfile bs=1k count= 200000
939 このコマンドは jail ファイルシステムとして使用する
942 @item ループ デバイスを作成し、ファイルシステムを作ってそれをマウントし、@c
943 それからユーザ @code{lily} が書き込めるフォルダを作成します:
947 losetup /dev/loop0 /home/lily/loopfile
948 mkfs -t ext3 /dev/loop0 200000
949 mount -t ext3 /dev/loop0 /mnt/lilyloop
950 mkdir /mnt/lilyloop/lilyhome
951 chown lily /mnt/lilyloop/lilyhome
954 @item サーバのコンフィグレーションで、JAIL は @code{/mnt/lilyloop} となり、@c
955 DIR は @code{/lilyhome} となります。
957 @item 以下に示すサンプル スクリプトのように必要なファイルをコピーして
958 jail の中に大きなディレクトリ ツリーを作成します。
960 @code{sed} を使うことで必要な実行形式ファイルをコピーすることができます:
963 for i in "/usr/local/lilypond/usr/bin/lilypond" "/bin/sh" "/usr/bin/; \
964 do ldd $i | sed 's/.*=> \/\(.*\/\)\([^(]*\).*/mkdir -p \1 \&\& \
965 cp -L \/\1\2 \1\2/' | sed 's/\t\/\(.*\/\)\(.*\) (.*)$/mkdir -p \
966 \1 \&\& cp -L \/\1\2 \1\2/' | sed '/.*=>.*/d'; done
971 @subheading 32-bit Ubuntu 8.04 用のスクリプト例
979 loopdevice=/dev/loop0
980 jaildir=/mnt/lilyloop
981 # the prefix (without the leading slash!)
983 # the directory where lilypond is installed on the system
984 lilydir=/$lilyprefix/lilypond/
986 userhome=$home/$username
987 loopfile=$userhome/loopfile
989 dd if=/dev/zero of=$loopfile bs=1k count=200000
991 losetup $loopdevice $loopfile
992 mkfs -t ext3 $loopdevice 200000
993 mount -t ext3 $loopdevice $jaildir
994 mkdir $jaildir/lilyhome
995 chown $username $jaildir/lilyhome
998 mkdir -p bin usr/bin usr/share usr/lib usr/share/fonts $lilyprefix tmp
1001 cp -r -L $lilydir $lilyprefix
1002 cp -L /bin/sh /bin/rm bin
1003 cp -L /usr/bin/convert /usr/bin/gs usr/bin
1004 cp -L /usr/share/fonts/truetype usr/share/fonts
1006 # Now the library copying magic
1007 for i in "$lilydir/usr/bin/lilypond" "$lilydir/usr/bin/guile" "/bin/sh" \
1008 "/bin/rm" "/usr/bin/gs" "/usr/bin/convert"; do ldd $i | sed 's/.*=> \
1009 \/\(.*\/\)\([^(]*\).*/mkdir -p \1 \&\& cp -L \/\1\2 \1\2/' | sed \
1010 's/\t\/\(.*\/\)\(.*\) (.*)$/mkdir -p \1 \&\& cp -L \/\1\2 \1\2/' \
1011 | sed '/.*=>.*/d'; done | sh -s
1013 # The shared files for ghostscript...
1014 cp -L -r /usr/share/ghostscript usr/share
1015 # The shared files for ImageMagick
1016 cp -L -r /usr/lib/ImageMagick* usr/lib
1018 ### Now, assuming that you have test.ly in /mnt/lilyloop/lilyhome,
1019 ### you should be able to run:
1020 ### Note that /$lilyprefix/bin/lilypond is a script, which sets the
1021 ### LD_LIBRARY_PATH - this is crucial
1022 /$lilyprefix/bin/lilypond -jlily,lily,/mnt/lilyloop,/lilyhome test.ly
1025 @c " keep quote signs balanced for context-sensitive editors
1030 @translationof Error messages
1032 @cindex error messages (エラー メッセージ)
1033 ファイルのコンパイルの最中にはさまざまなエラー メッセージが@c
1039 @cindex warning (警告)
1041 あなたが何か普通でないことをリクエストしている場合は、@c
1042 そのメッセージを理解して、それを無視することができます。@c
1044 Warning は通常、入力ファイルに何か問題があることを示しています。
1048 カレントの処理ステップ (構文解析、構文解釈、フォーマット) は終了され、@c
1053 @cindex fatal error (致命的なエラー)
1054 何か明らかに問題があり、LilyPond はコンパイルを続けられません。@c
1056 これが起こるのはたいてい、フォントのインストールに問題があるためです。
1059 @cindex trace, Scheme (Scheme トレース)
1060 @cindex call trace (トレースを呼び出す)
1061 @cindex Scheme error (Scheme エラー)
1062 Scheme コードの実行中に発生するこのエラーは
1063 Scheme インタプリタによって引き起こされます。@c
1065 (@option{-V} または @option{--verbose})
1067 問題となっている関数呼び出しの呼び出し追跡が表示されます。
1069 @item Programming error
1070 @cindex Programming error (プログラミング エラー)
1072 このエラー メッセージはプログラマとデバッガを助けることを意図したものです。@c
1074 時々、それらは非常に大きなメッセージとなり、他の出力を見えにくくします。
1076 @item Aborted (core dumped)
1077 これは、プログラムをクラッシュさせる深刻なプログラミング エラーを@c
1079 そのようなエラーは決定的なものだと考えられます。@c
1080 あなたがそのようなエラーでつまずいた場合、バグ レポートを送ってください。
1083 @cindex errors, message format (エラー メッセージの形式)
1084 警告とエラーを入力ファイルのある部分にリンクさせることが可能な場合、@c
1085 エラー メッセージは以下のような形式になります:
1088 @var{filename}:@var{lineno}:@var{columnno}: @var{message}
1089 @var{offending input line}
1092 エラーが見つかった場所を示すために問題のある行に改行が挿入されます。@c
1096 test.ly:2:19: error: not a duration: 5
1101 これらの位置は LilyPond が警告やエラーが発生した位置を@c
1103 (ごく当たり前のことですが) 警告とエラーは@c
1104 何か予期しないことが起こったときに発生するものです。@c
1105 入力ファイルの示された行にエラーを見つけることができない場合は、@c
1106 示された位置の 1 行か 2 行上をチェックしてみてください。
1108 診断は多くの処理段階のあらゆる時点で発生し得ることに注意してください。@c
1109 例えば、入力が複数回処理される(つまり、MIDI とレイアウト出力)@c
1110 または同じ音楽変数がコンテキストで使われると、@c
1111 同じメッセージが何回か現れることがあります。
1113 エラーについての更なる情報が @ref{一般的なエラー} で提供されています。
1118 @translationof Common errors
1120 以下で説明するエラーがしばしば発生しますが、@c
1121 その原因は明白でなかったり、見つけにくかったりします。@c
1122 目を通しておくと、それらのエラーに対処しやすくなります。
1128 * エラー メッセージ Unbound variable %::
1129 * エラー メッセージ FT_Get_Glyph_Name::
1130 * 警告 staff affinities should only decrease::
1131 * エラー メッセージ unexpected new::
1132 * 警告 this voice needs a voiceXx or shiftXx setting::
1136 @unnumberedsubsec 楽譜がページからはみ出る
1137 @translationof Music runs off the page
1139 楽譜がページの右マージンを越えてはみ出る、あるいは過度に密集するのは、@c
1140 ほぼ間違いなく音符の演奏時間に誤りがあり、@c
1141 小節の最後の音符が小節線を越えてしまうためです。@c
1142 ある小節の最後の音符が自動的に挿入される小節線の所で終わらなくても@c
1144 なぜなら、その音符は次の小節に持ち越されるためです。@c
1145 しかしながら、そのような持ち越しが発生する小節が長く続くと、@c
1146 楽譜は密集して表示されたり、ページからはみ出たりします。@c
1148 自動改行を挿入できるのは正しく終了する小節
1149 (その小節のすべての音符が小節の中で終了しています)
1152 @warning{誤った演奏時間は改行を抑制し、結果として楽譜が過度に密集したり、c@
1153 ページからはみ出たりする可能性が生じます。}
1155 小節チェックを使用していれば、誤った演奏時間を簡単に見つけることができます。@c
1156 @ruser{小節と小節番号のチェック} を参照してください。
1158 あなたがそのような音符が持ち越される小節を続けることを意図しているのであれば、@c
1159 改行させたい場所に不可視の小節線を挿入する必要があります。@c
1161 @ruser{小節線} を参照してください。
1165 @unnumberedsubsec 余計な譜が表示される
1166 @translationof An extra staff appears
1168 コンテキストが @code{\new} や @code{\context} で明示的に作成されていない場合、@c
1169 既存のコンテキストには適用できないコマンドに遭遇した時点で@c
1171 単純な楽譜では、コンテキストの自動作成は有用であり、@c
1172 LilyPond マニュアルのほとんどの例はこの手法を用いています。@c
1173 しかしながら、コンテキストの暗黙的な作成はしばしば予期しない譜や楽譜を@c
1175 例えば、以下のコードは後に続く譜の中にあるすべての符頭を赤にすることを@c
1177 結果は 2 つの譜が表示され、下の譜の符頭の色はデフォルトの黒のままとなります。
1179 @lilypond[quote,verbatim,fragment]
1180 \override Staff.NoteHead.color = #red
1184 これは、(符頭色の) オーバライドが処理される時に
1185 @code{Staff} コンテキストが存在していないため、@c
1186 @code{Staff} コンテキストが暗黙的に作成され、@c
1187 そのコンテキストにオーバライドが適用されるからです。@c
1188 その後に @code{\new Staff} コマンドにより@c
1189 もう 1 つ別の @code{Staff} コンテキストが作成され、@c
1191 すべての符頭を赤にする正しいコードは以下のようになります:
1193 @lilypond[quote,verbatim]
1195 \override Staff.NoteHead.color = #red
1200 @node エラー メッセージ Unbound variable %
1201 @unnumberedsubsec エラー メッセージ Unbound variable %
1202 @translationof Error message Unbound variable %
1204 このエラー メッセージは、@emph{Scheme} 形式ではなく @emph{LilyPond} 形式の@c
1205 コメントを含む Scheme ルーチンが呼び出されるたびに、@c
1206 コンソール出力またはログ ファイルの最後に表示されます。
1208 LilyPond 形式のコメントはパーセント記号 (@code{%}) で始まり、@c
1209 Scheme ルーチンの中で使うことはできません。@c
1210 Scheme 形式のコメントはセミコロン (@code{;}) で始まります。
1212 @node エラー メッセージ FT_Get_Glyph_Name
1213 @unnumberedsubsec エラー メッセージ FT_Get_Glyph_Name
1214 @translationof Error message FT_Get_Glyph_Name
1216 入力ファイルが非 ASCII キャラクタを保持していて、@c
1217 UTF-8 エンコードで保存されていない場合、@c
1218 このエラー メッセージがコンソール出力やログ ファイルに表示されます。@c
1220 @ruser{テキスト エンコーディング} を参照してください。
1223 @node 警告 staff affinities should only decrease
1224 @unnumberedsubsec 警告 staff affinities should only decrease
1225 @translationof Warning staff affinities should only decrease
1227 この警告は、譜刻された出力の中に譜が無い場合に表示されます。@c
1228 例えば、リード譜に @code{ChordName} コンテキストと @code{Lyrics} コンテキスト@c
1230 この警告は、入力の始めに以下を挿入することで@c
1231 譜として振舞うコンテキストを作ることで回避できます:
1234 \override VerticalAxisGroup.staff-affinity = ##f
1238 詳細は @ruser{システム内部の可変な垂直方向のスペース} の
1239 @qq{譜ではない行のスペース} を参照してください。
1242 @node エラー メッセージ unexpected new
1243 @unnumberedsubsec エラー メッセージ unexpected @code{@bs{}new}
1244 @translationof Error message unexpected new
1246 @code{\score} ブロックは @emph{1 つの} 音楽表記を含む必要があります。
1247 @code{\new Staff} や @code{\new StaffGroup}、その他 @code{\new} で生成される@c
1248 同様のコンテキストが波括弧 @code{@{ @dots{} @}} や@c
1249 二重の山括弧 @code{<< @dots{} >>} で囲まれずに複数存在する場合に、@c
1250 エラー メッセージが出力されます。以下のようにです:
1254 % Invalid! Generates error: syntax error, unexpected \new
1255 \new Staff @{ @dots{} @}
1256 \new Staff @{ @dots{} @}
1260 エラーを避けるためには、全ての @code{\new} 文を波括弧あるいは二重の山括弧で@c
1263 波括弧は連続的に @code{\new} 文を導入します:
1265 @lilypond[quote,verbatim]
1268 \new Staff { a' a' a' a' }
1269 \new Staff { g' g' g' g' }
1275 しかし、二重の山括弧を用いるべき場面の方が多いでしょう。@c
1276 譜は並行に (つまり、同時に) 導入されます:
1278 @lilypond[quote,verbatim]
1281 \new Staff { a' a' a' a' }
1282 \new Staff { g' g' g' g' }
1287 @node 警告 this voice needs a voiceXx or shiftXx setting
1288 @unnumberedsubsec 警告 this voice needs a @code{@bs{}voiceXx} or @code{@bs{}shiftXx} setting
1289 @translationof Warning this voice needs a voiceXx or shiftXx setting
1291 2 つの異なるボイスが同じ向きの符幹を持ち、それらが同じタイミングで出現する@c
1292 時、ボイスにシフトが指定されていない場合に
1293 @samp{warning: this voice needs a \voiceXx or \shiftXx setting}
1294 という警告メッセージが LilyPond ファイルをコンパイルする際に出力されます。@c
1295 この警告は符幹が見えない場合 (例えば、全音符) にも、@c
1296 同じピッチにある短い方の音符の符幹が同じ向きにある場合、出力されます。
1298 符幹の向きは、@code{\voiceOne} などによって指定されない限り、@c
1299 譜の中での音符の位置に依存します。このとき、警告は@c
1300 符幹が同じ向きになってしまった場合 -- つまり、複数のボイスが譜の上半分または@c
1301 下半分に固まってしまった場合 -- にのみ出力されます。
1303 @code{\voiceOne} などを用いることによって、符幹の向きとシフトを@c
1304 指定したボイスで音符を配置した場合、これらの警告を回避することができます。
1306 より大きいボイス番号を持つ音符 (例えば @code{\voiceThree} など) は、@c
1307 音符列の衝突を避けるために自動的に移動します。符幹のある音符に対しては@c
1308 移動が目に見えますが、全音符は実際に符頭が衝突しない限り、あるいは@c
1309 ボイスが自然な順番に配置されていない場合 (例えば @code{\voiceThree} が
1310 @code{\voiceOne} よりも高い位置にある場合) ではない限り、@c
1314 @rlearning{ボイスを明示的にインスタンス化する},
1315 @rlearning{実際の音楽からの例},